欲望の果ての一攫千金ゲーム関連銘柄、徹底検証
INTRODUCTION
下山の銘柄選びを認めつつも、もっと稼げる銘柄があるのではないかと感じていた。
最初の1銘柄が、あまりにも簡単に見つかってしまった事実が
余計に土屋の欲望を刺激する。
「男やったらもっと勝負せなあかん!」と強く思う土屋と
「着実に稼ぐべし。」と思考する下山、
両者の想いが交錯する。
土屋の声が部屋に響く。
「株式投資は勝負事とは違う。ただルール通りに淡々とこなすだけのものだ!」そう主張する下山に土屋は反発した。
結局ホンダに続き、ミクシィもチェックすることになった。
しかし下山にとって、答えは明白だった。
「ミクシィが投資銘柄として適切かどうか」そんなことは調べるまでもなかった。
とはいえ、初心者が1つ1つ納得した上で、
物事を進めることは重要なことだとも思っていた。
確信がもてないままトレードをすると、途中で必ず迷いが生じる。
このまま下山が意見をごり押しすると、土屋は取引中に、
「いや、やっぱあっちの銘柄で取引してる方が儲かったんちゃうんか!?」と迷い、必ず軸がブレるだろう。
世の中に、そうやって資金を溶かすトレーダーがどれほどいるか、
下山は十分すぎるくらい知っていた。
だからこそミクシィの株を徹底的に検証する必要があった。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2121.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2121.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2121.T土屋は、例えば自分が用意した1000万円の資金が
1年間で1億円になるような、そんな未来を思い描いていた。
そのためにはそれくらい一気に株価が変動する銘柄で取引するべきだとも考えていた。
しかし、下山にそれを真っ向から否定され、少々感情的になっていた。
後にも引けなくなっていた、というよりは後に引きたくないと思っていた。
屋と下山が雑居ビルを出ると、ボディガードがすでに車を用意していた。
雑居ビルとフェラーリの組み合わせがなんともいびつだった。
ボディガードの1人が土屋に鍵を渡す。
フェラーリ独特のエンジン音があたりに鳴り響く。
そして新宿のネオンに向かって1台のフェラーリが走りだす。
そしてその後ろには6名のボディガードが乗った車がつけていた。
"一寸先は闇"それが相場の世界だ。
明日のことは誰にも分からない。
だからこそ、何が起こっても大丈夫なように
あらかじめ準備をしておかなければならない、というのが下山の考えだった。
そして実際に約6年に渡り相場で生き残り、安定して利益を叩き出し続けてきた。
下山はゲームのことを考えながらも土屋のこともちゃんと考えていた。
土屋には負けトレーダーの仲間入りをして欲しくない、その一心だった。
そしてついに、
下山の取引銘柄が明かされようとしていた。
正しい取引銘柄さえ選べれば、一気に勝ちトレーダーへの道が開ける。
そのことに直感的に気づいているからこそ、
土屋の心拍数が上がり始める。