一流トレーダーがひた隠す"銘柄選び4つの基準"
INTRODUCTION
"株式投資"という1つのツールによって、全く性格の異なる2人の距離が、縮まりつつあった。
下山の投資手法に関して、まだまだ未知の部分を残しながら、いつの間にか土屋は下山に対して絶大な信頼を寄せていた。
手法がどう、とかいう以前に、下山という1人の人間の真摯な人柄に惚れていた。
下山の教え子の話を聞いた土屋は思う。
下山の手法を実践して人生を変えた何百人もの教え子が、下山に対して感謝の気持ちを抱くのは、単にお金を稼げるようになったから、という理由からだけではない、と。
教え子に対して真摯に向き合う、下山のひたむきな姿勢があるからこその感謝の気持ちだ、と。
人は忘れる生き物だ。
成功に導いてくれた師匠がいたとしても、成功した瞬間に、あたかも自分の力だけで成功したような顔をして生きる人間もいる。
しかし、下山の教え子はみんな違った。
"下山への感謝をいつまでも忘れていない"土屋は下山の話を聞いてそう感じた。
当初、土屋が持っていた、
「下山はん、本当に自分の仲間を稼がせるようにしてくれるんか?」という疑問は、
「しもちゃんなら間違いない!」という確信に変わっていた。
下山は土屋に
「投資手法に関して2つの重要なポイントがある」と伝えた。
1つ目の「シンプルである」というポイントの真意が今、明かされようとしていた。
下山が言う「シンプル」とは、銘柄を1つだけに絞り、その銘柄だけで取引し続けるということだった。
時間をかけて様々な銘柄を探し、色々な銘柄で取引するような真似はしないということだ。
しかし、現実の株式相場は、4000ある銘柄の中から、これから株価が暴騰しそうなお宝銘柄を、命がけで探す個人投資家で溢れかえっている。
そこで土屋は下山に1つの質問をした。
土屋は少しずつ理解し始めていた。
下山がなぜ勝ち続けているのか。
そして95%以上の投資家が負けて去っていく理由もなんとなく掴み始めていた。
"基準を持たずにトレードを行う"これが投資において最大の罪だと思った。
基準を持っていなければ、メディアやSNSで
「◯◯関連銘柄がヤバイらしい」そんな噂が流れれば、それがどれだけ間違った噂であっても、どうしてもその話に耳を傾けてしまう。
それが人間の悲しい性だ。
仲間を助けるために下山の話を聞き始めたはずが、土屋は下山の話を自分事のように、のめりこんで聞いていた。
http://finance.yahoo.co.jphttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Thttp://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=7267.Tしかし、土屋はふと思う。
「こんなにあっさりと条件をクリアする銘柄が見つかるんやったら、もっと稼げる銘柄が出てくるんちゃうか」と。
土屋の、経営者としての血が騒ぎ始める。
そして一旦騒ぎ始めた血は止まらない。
「今の自分があるのは、勝負すべき場面でしっかり勝負してそして勝利を収めてきたからだ。」土屋はそう確信している。
そしてその精神を真っ向から否定されて、土屋は少々イラついていた。
しもちゃんが結果を出しているのと同じように、土屋もビジネスの世界で結果を出していた。
だからこそ自分の信念の正しさを証明したかった。
欲に目が眩んでいるわけではない、ただ、勝負すべき場面で勝負できない奴は男ではない、と思っていた。
だからこそルールに沿ったトレードが必要だとしても、勝負をかけるときは勝負をかけて一気に利益を伸ばす、そしてより多く稼げる、そんな銘柄を選びたかった。
心の距離が近づきつつある下山と土屋であったが、心の底から完全に理解し合うまでには、
まだ時間が必要だった。